藤沢文学の世界
1983年6月 神田川のほとりで(写真提供:文藝春秋)
「江戸市井もの」の情緒
「市井小説はただのひとの物語であり、時代が違うだけでわれわれの物語でもある。」
「『海鳴り』の執筆を終えて」より(『小説の周辺』所収 )
「江戸市井(しせい)もの」は、江戸に生きるふつうの人びとの物語。
愛情、同情、嫉妬、憎しみなどが同居する人間の哀歓―生きる喜びと悲しみが繊細に描かれています。
作品群の中には、浮世絵師や彫師が登場する「浮世絵もの」、同心や岡っ引たちが事件の真相を追う「捕物小説」などがあり、
江戸の人びとの職業や暮らしぶりの描かれ方からは、藤沢周平のリアリティへの追求がうかがわれます。
現在の両国橋